Partager

第二十六話① 大地の失敗

Auteur: 三木猫
last update Date de publication: 2026-03-20 09:24:50

「透馬お兄ちゃん。ご飯だよー?」

透馬お兄ちゃんが泊まっている客室をノックすると、数分も待たずに透馬お兄ちゃんがドアを開けて姿を現した。

「おお。わざわざありがとな、姫…とちまっこいの四人」

「ちまくないですっ」

「です!」

「ボディーガードっ!」

「なのっ!」

旭筆頭に私と透馬お兄ちゃんの間に割って入る弟達。これが滅茶苦茶可愛いんだよね。思わず頬が緩む。

「ボディーガードか。姫、随分立派なボディーガードだな」

「ふふっ。でしょう?」

透馬お兄ちゃんと一緒にリビングへと向かう。旭達には鴇お兄ちゃん達を呼びに行って貰った。

あれから数日。

特に何があった訳でもなく、普通に過ごしている。

でもいつまた透馬お兄ちゃんの偽物が出るかと思うと怖くて仕方ない。

ゲーム内のイベントじゃないから、ママも予測がつかないって言ってた。一人で行動しないように、とも。

……迷惑、かけてるなぁ…。

私が男性恐怖症なんかじゃなかったら、こんな事にはならなかったのかな…。考えても仕方ない事なんだけどさ。

気持ちを切り替えようっ!

まずは皆でご飯を食べて学校に行くっ!

そうと決
Continuez à lire ce livre gratuitement
Scanner le code pour télécharger l'application
Chapitre verrouillé

Dernier chapitre

  • 乙女ゲームのヒロインに転生しました。でも、私男性恐怖症なんですけど…。   小話58 後日談その5(前世の自分へと思いを馳せる)

    「…報告は以上です」 「…分かった。ここにある内容が全てか?社員の総意って事で間違いないな?」 「は、はい…」 目の前の若い男は社長でも何でもない。なのに何故この場に、白鳥財閥の総帥代理の前にいるのか。 少し考えれば解ることだ。こいつが今持って来たのは報告書だ。多額の負債を出してしまった案件の。 「君は…これで良いのか?」 「…え?」 渡された報告書を机に投げて、椅子の背もたれにゆったりと背を預けた。 「会社の上司が失敗した事を、新人である菅原、君が全ての責任を負ってこれからの人生を棒に振っても良いのか?」 「そ、れは…」 じっと言葉の続きを待つ。だが、やはり新人で若い男は俯き言葉を発する事はなかった。 …当然と言えば当然だ。自分の所の上司より遥か上の上司に会ってる訳だしな。しかもその理由が謝罪と報告。だがこいつは仕事を辞めるではなくきちんと謝罪に来た。それだけ根性があるって事だ。失うには勿体ない新人だ。 俺は言葉を失ったそいつの代わりに言葉を繋ぐ。 「この事案は君の様な新人が請けもてる案件ではない。そんな事は上の人間が一目見れば解る。もし解らないとでも思われていたのなら、…随分舐めた真似をしてくれるな」 「ち、ちがっ」 「分かっている。これは君がやれる上司への復讐だったんだろう?」 「え…?」 ゆっくりとそいつは青褪めた顔を俺へ向けた。 「君の様な人間は貴重だ。失うのは惜しいからな。一つ、君に頼みがある」 「頼み?」 「そうだ。それが出来たなら君をうちで引き抜こう」 「やりますっ!!」 一も二もなく頷くそいつに頷き返す。 「私は一体何をすれば…」 「…君の所の上司を連れて来い。何を言って誤魔化しても俺の立場を利用してでも良い。ここへ連れて来い。…出来るな?」 コクリと頷き、直ぐに踵を返して勢いよく部屋を出て行った。 多分、やり遂げるだろう。自分に失敗の責任を全て押し付けた上司に恨みはあれど同情はないだろうからな。それに、部下に自分の失敗を全て押し付ける様な輩は部下を率いて上に立つ資格はない。 自分でやり返さないと、恨みだけ残り続けるしな。 …さて。菅原を配属させる場所を選んで置かないと、だな。 今、何時だ? …………………23時? ちょっと待て?ちょっと待てよ? 今日は何日だ…? ………カレンダー

  • 乙女ゲームのヒロインに転生しました。でも、私男性恐怖症なんですけど…。   小話57 後日談その4(男達の宴会with乙女)後編

    「次に貴方を見たのは、これまた私が学生の時よ」そう言って、男の視線は俺から、透馬達に流された。透馬、奏輔、大地の視線が冷えて行く。きっと俺も同じ目になっているだろう。※※※(乙女の独白そ・の・2はぁと)何事も、調査と言うのは必要不可欠な物。あの人の事を知りたければ、自分の足で動かなきゃっ☆そう。その為に私は今ここに、エイト学園にいるのだからっ!もうっ、聞いてよっ。ほんっとうに大変だったのよっ。ここの制服手に入れるのっ。何でも愛しの鴇様が入学してからエイト学園の制服を手に入れて不法侵入する輩が増えてんですってっ!だから、正規の生徒手帳がないと店では売ってくれないのらしいのっ!おかげでオークションで愛しの鴇様の制服を落札する為に30万も使っちゃったわっ!!こつこつと貯めてた手術代がパーよ、パーっ!ほんっとうに大変だったわぁ。不法侵入とかそう言う輩がいるから、最近の日本は犯罪者が増えて来てるのよっ!節度って大事よねっ!さ、てと。今は怒りを横に置いといて。愛しの鴇様には顔がわれてるから、バッチリ化粧と髪も染め上げて来たわ。これで絶対バレないは・ずっ☆まずは愛しの鴇様が登校してくるのを発見しないとっ☆待ってて、愛しの鴇様~☆校門の前で愛しの鴇様が来るのを待機。勿論、物陰から観察よっ。真正面からなんて恥ずかしくて出来ないわっ、きゃっ☆「なぁ、鴇。今日、姫に会いに行っていいか?」「あ、オレも行くー」「なら、俺も便乗させて貰うわ」「…お前らなぁ。そう言いながら毎日家にくるな、鬱陶しい」きゃあああああああっ!!!!なになになんなのっ!?あの神々しい集団はっ!!愛しの鴇様の周りにも神の御使いが三人もっ!!やだっ!!素敵ぃーっ!!校門側の大木の影に隠れていた私の所まで光を放つなんてっ!?目に焼き付けるのよっ!!この美しさを忘れないうちにっ!!ふー…ふー…。素敵…素敵よぉ…。愛しの鴇様が呆れながらも小さな笑みを浮かべてるわぁ。あぁ、愛しの鴇様の隣にいる紫髪の彼。彼もまたいいわぁ。着崩してる制服から見えるシルバーが溜まらないわ。その後ろを付いてくる、体育会系の彼。彼もいいっ。茶色の短髪も男臭くて堪らないけれど、それよりも体っ!体よっ!肉体美っ!美しい筋肉っ!あぁ、堪らないっ!更にその体育会系の彼の横にいる、繊細な美人もいいわっ!男の子な

  • 乙女ゲームのヒロインに転生しました。でも、私男性恐怖症なんですけど…。   小話57 後日談その4(男達の宴会with乙女)前編

    「それじゃ、皆揃ったな。乾杯!」『かんぱ~いっ!!』それぞれがグラスを片手に声を上げた。金山達が使っているバーを今日は貸切、今は二つのテーブルで二つのグループで盛り上がっていた。「やっと日本に帰って来れたよ。葵兄も棗兄も久しぶり!」「優兎。随分頑張っているみたいだね。どこぞのアホと違って」「おい、葵。そのどこぞのアホってのは俺の事か?」「龍也以外誰がいるって言うのさ。大体、何しれっと鈴ちゃんに会いに来てるんだよ、図々しい」「あの時は仕事にちょっと余裕が出来たからだなぁ!」「樹先輩!白鳥さん見ませんでしたかっ!?」「あ?今日は女の参加はなしだろ?だったよな?棗」「そうだね」「は、話が違うじゃないですかっ!棗先輩っ」「お前がいつまでも鈴を狙ってるから、その措置に決まってるだろっ!!」「……相変わらず、姦しいけど、帰って来た気がするなー…」優兎が遠い目をして、双子と御曹司たちに挟まれて呟いている。安心しろ、優兎。こっちはこっちで悲惨だぞ。「だから、こっちより海里にはこっちの指輪のが似合うだろ」「じゃあ、こっちにしようかな…透馬兄、これだよね?」「なんで今そっちを選んだっ!」「………奏輔様。新しいお酒です」「いつの間に空良は俺の舎弟化したんやろなぁ…。でも、ほんっと、あの姉貴たちを見た後だと心洗われるわー…」「っしゃあっ!!じゃあ、五番勝負っすよっ!師匠っ!!」「陸実ー、オレに勝とうなんて十年早いー」「腕相撲から勝負だーっ!!」ほらな、地獄だろ?ぐったりしている優兎の視線が俺とかち合った。抜け出そうと言っている。俺も素直に頷いて、そこからするりと抜けて優兎と二人、カウンター席に座った。目の前にグラスでウィスキーのロックが並ぶ。「あー…落ち着いたー…」「あいつら、何であの歳でなおあそこまで騒げるんだか…」優兎と二人まったりと会話をする。一時期、優兎は美鈴の件で怒鳴ってしまった俺に引け目を感じていたらしいが、俺は全く気にしていないからか優兎も割り切って普通に戻っていた。「真っ直ぐここに来たんだろう?美鈴には明日会うのか?」「美鈴ちゃん、今、里帰りしてるんでしょ?じゃあ、明日僕も帰るから今日中に会える、かな?」「この飲み会が今日中に終わるか?日付越えるだろ、どう考えても。会うのは明日の朝だな」「それは、確か

  • 乙女ゲームのヒロインに転生しました。でも、私男性恐怖症なんですけど…。   小話56 後日談その3(『輝け青春エイト学園高等部』と『無限』⑤)

    片手にどうにか双子の娘達を抱え込み、ペンでまず俺の名前を書いた。「今佳織母さんに説明したのは俺の意思が生まれた一番最古の前世だ」「ふむふむ」「で、俺はここからまた、この世界に転生した」矢印を下に引いて俺の次の前世の記憶と書く。「そして、ここからリョウイチさんの干渉が始まる。そこまでは干渉ではなく見守りの状態だった。そして、なんでここでリョウイチさんの干渉が入ったのか。それは恐らく佳織母さん達の前世が繋がったからだ」もっと言うなら、佳織母さんにリョウイチさんが惚れたから、って事だろう。「けど今はリョウイチさんの視点ではなく俺の視点で話す。その次に真っ先に修正されたのは佳織母さんの立ち位置だ。それまで横暴だった佳織母さんはその修正により、佳織母さんの魂修正が入った。要はさっき佳織母さんが言った子供を大事にする要素だな。勿論他にもこまごまとあるだろうが、リョウイチさんが一番直しやすかった所から入ったんだろう」俺の名前の下に佳織母さん修正済みと書いた。「で、ここでリョウイチさんのミスが一つある」「…都貴静流、かしら?」「その通り。アイツが違う体に転生して、美鈴を狙い始めたんだ。その時はもう佳織母さんの修正が済んだ後。もっと言うなら、暫く他の世界を経由して来た後なんだよ」都貴静流の名前を佳織母さんの横に書く。「予想外の動きにリョウイチさんは次から次へと修正を繰り返した。数えきれないくらい修正したんだろうな。修正は沢山あった。暫く双子が生まれない時もあったし、優兎が転校してこず親に愛される、それこそ、所謂攻略対象者達と美鈴がくっ付いた時もあった。面白いのがそのどの世界軸でも俺は死んでいたって事だな」「そうだったの?」「あぁ。何度も死んださ。美鈴を想いながらな。何度も何度も修正を見て来たし、その数の多さの証拠があの都貴静流の転生体の多さだ」何度も何度も転生を繰り返し、発生した出来事を最初は何かしらでまとめていたが、最終的に佳織母さんに知らせる意味も込めて乙女ゲームと言う形をとったのだろう。「俺達は前世の記憶と言う形で混じり合ったが、本来人間の生は、命が終わった時点でリセットされねばならない。けれど、前世で繋がってしまったために新たな芽として生まれていた命が一つの大木として育ってしまった」「生の本流が出来上がってしまったのね」「そうだ。そして

  • 乙女ゲームのヒロインに転生しました。でも、私男性恐怖症なんですけど…。   小話56 後日談その3(『輝け青春エイト学園高等部』と『無限』④)

    「ごほッ…」俺に届く筈の手は届かなく、美鈴はその場に崩れ落ちる。都貴静流の手には、赤く滴る血が流れるサバイバルナイフがあった…。「きゅ、救急車っ!!」優兎が兎の可愛い鞄から電話を取り出し、119番にかけている。「あ、あはは…白鳥さんッ、なんて、なんて美しいんだっ…」都貴静流がサバイバルナイフを空にかざして恍惚に呟く。「もう一度…もう一度その血を魅せてくれ…あぁ、堪らない…」「気持ち悪いんだよっ!!てめぇはっ!!」力の限りそいつの顔面を殴り付け、地面にそいつが座りこんだ隙に美鈴を抱き起す。口元から血を流す美鈴の顔はどんどん血の気を失って行く。「…ぉ…き…」「喋るなっ!今、病院に連れてってやるからっ!」「…さ、む、ぃ…」慌てて着ていたジャケットを脱いで美鈴の背中の刺し傷を塞ぐようにきつく巻きつける。「……ぉ…ぃ…どぉ、…こ…?」「美鈴っ!大丈夫だっ!俺はここにいるっ!」遠くから救急車のサイレンが聞こえて来た。俺は美鈴を乗せるべく抱き上げ立ち上がり、少しでも早く救急車に乗せれるようにと走った。目の前に救急車が止まり、隊員の人が出した担架に美鈴を乗せて、美鈴が救急車の中に運び込まれ、救急車はそのまま走り去っていく。救急車を見送っていた、その時。ドスッ―――。再び鈍い音が聞こえた。今度は俺の脇腹から。「邪魔…邪魔邪魔邪魔邪魔邪魔なんだよぉぉぉぉぉぉっ!!」「それ、は、こっちのセリフだっ!!」痛みはあった。けど、今はそれすらも凌駕する怒りが俺を支配していた。殴り返して、争って、最終的に都貴静流の持っていたナイフが都貴静流の胸に突き刺さり、そいつは倒れた。見届けて、俺は血が流れる体を引きずって車に乗り込み、家へと帰った。ソファに座りこみ、止まらない血を手で抑えながらテレビを点ける。『先程速報が入りました。○○大学で起きた殺傷事件で男に刺された女子生徒白鳥美鈴さんが先程亡くなりました』…知っていた。あの状態から美鈴が息を吹き返す訳がないと。知っていたのに、まだ、何処かで…生きていてくれているんじゃないか、と。「………美鈴…。今、俺も逝く…」瞳から溢れる涙を拭う力すら消えた俺は、そのまま闇に落ちた…。※※※こうして俺が美鈴と恋仲になりホストを辞めて幸せになると誓ったその時に、都貴静流に美鈴は殺さ、そして俺もまた殺さ

  • 乙女ゲームのヒロインに転生しました。でも、私男性恐怖症なんですけど…。   小話56 後日談その3(『輝け青春エイト学園高等部』と『無限』③)

    美鈴に惚れた自覚を持って、それからまた一ヶ月後。「わ、私、鴇お兄ちゃんが好きっ」そろそろ来るだろうと思ってたが、予想外に早い美鈴から告白に俺は心の中でガッツポーズをした。俺らしくない?知るか。嬉しい時は喜ぶものだろう。「俺もだ、美鈴。愛してる」美鈴をきつく抱きしめると、美鈴はまた嬉しそうに笑った。この時の俺達は幸せの絶頂でいつまでもこの幸せは続くのだと、そう思っていた。ある日、俺は親父の勤めている会社へと美鈴とこれからも一緒に、あわよくば結婚する事を伝えに向かっていた。「…兄さん」「何故ここに?」声がして前を向くと、そこには双子の弟の葵と棗がいた。二人共俺と同じ血が流れているはずなのに、どちらも立派に大学へ通い、同時にアルバイトもこなしているようだった。「葵に棗?それはこっちのセリフだ。お前達は何故ここにいる?」「…白鳥の姓を抜けようと思いまして」「しがみつく価値のない家なので」「成程な」「兄さんは?」「似たようなもんだ」「そうですか。なら一緒に行きますか」葵の方から誘ってくるなんて珍しい事もあるものだ。俺はそうそうに白鳥家を出て行った。双子のこいつらがいることを知っていたのに。だから嫌われている筈なんだがな。何故こんな対応なのか解らずに。それでも断るのも気が引けて俺は双子の弟達と一緒に歩きだした。いや、歩き出そうとした。急に俺の携帯が着信を告げた。かけて来た相手を確認すると、そこには『美鈴』と表示されており、俺は慌てて電話に出た。「美鈴?どうした?」『鴇っ。どうしよっ。怖いっ』何時もの勝気な声ではなく、どこかに隠れでもしているのかか細く震えた声だった。即緊急事態だと理解する。「今、どこにいるっ?」『大学、の、空き教室の、ロッカー、の中…ッ』「解ったっ。いいかっ、電話、切るなよっ」『うん、…うんっ』俺が急ぎ来た道を引き返そうとした時、葵と棗が何故か引き止めた。「急いでるんだっ」「解っています。美鈴とは兄さんが保護した僕達の妹ですよね、義理の」「そうだっ」「オレ達も、妹に目を向ける余裕がなかったからね。少しばかり、手を貸させてよ」そう言って、双子は何処かに電話をかけている。「僕達の知り合いが義妹と同じ大学に通ってる。探して守って貰うよ」「…大丈夫なのか?」「それなりに強いよ。大丈夫」

Plus de chapitres
Découvrez et lisez de bons romans gratuitement
Accédez gratuitement à un grand nombre de bons romans sur GoodNovel. Téléchargez les livres que vous aimez et lisez où et quand vous voulez.
Lisez des livres gratuitement sur l'APP
Scanner le code pour lire sur l'application
DMCA.com Protection Status